第1356話 ラーメン走馬灯
あまり美味そうな名前だとは思わないけどな。ラーメン走馬灯だなんて、なんだか不吉な名前だな。そう思いながらも、この辺には他に食べられそうな店がない。仕方なく入ることにした。
「いらっしゃい」
ぶっきらぼう。不愛想ないかにもラーメン屋って感じの親父の声が聞こえてきた。
「ラーメン」
「はいよ」
少し待っているとラーメンが運ばれてきた。見た目はごく普通のどこにでもあるラーメンだ。良かった。普通の店のようだ。ラーメンを一口、また一口と食べていく。味は味噌ラーメンで、日本人向けに味付けされたスープは、この時期に体を温めてくれた。
「はあー。美味かった」
「お客さん。良い食いっぷりだったね。満足したかい?」
「ああ。満足したよ。まさか死んでからあの世に行くまでの間の待ち時間、最後にラーメンを食えるとは思わなかった。食いながら生きてた時の事思い出してたよ」
「また来世で死んだら食いに来てくれよ」
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