第1354話 老人ホームに魔女なのよ
老人ホーム、ゆかりの会。私はここに今日から住むことになった。体の自由は利くんだけど、可愛い孫娘が一人暮らしは心配だって言うからね。ヒヒッ、安心していいさ。私は魔女なのよ。何でも自分一人でやろうと思えばできるのさ。でも可愛い孫娘の頼みだからね。断ることもできないのさ。
介護職員たちは、いつもニコニコして親切で働き者な人達ばかりだ。魔法も使わず、自分の肉体一つでこんなに一生懸命働いている彼らを見てると感心するね。私にはとても無理だよ。
「山原さん。体起こしますね」
「馬鹿野郎。もっと優しくしろ」
隣のベッドでは、罵声を浴びせられながらも、介護士は仕事を全うしていた。どれ、ちょっと手伝ってやるかね。私は魔法をかけた。
「あ、あれ?山原さんが軽い」
ヒヒッ。あんたの力を倍増させる魔法をかけたからね。力仕事も楽々できるさ。どれ、私もここで介護職員に魔法をかけて世話してやろうかね。
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