第1338話 特別な血

「手術は成功しました。でも、そのあと、あなたに何が起こったか知ってます?」

「知らない。教えてくれないかな?」

「あなたの心臓が止まってしまったんです」

「そうだろうね……」

「そして、人工心肺装置であなたの身体から血を抜いたのです。それであなたの生命をつなぎとめるために、輸血をしたんですよ」

「それならわかってるよ。きみたちがやってくれたんだよね? ありがとう。感謝してる」

「わたしたちじゃありません!」彼女は大声で叫んだ。

「あなたの血液型のO型を持っている人がいなかったんです! だから、AB型の血液を輸血したんですよ。あなたも知ってるでしょう? この地球上に生きている人間の中で、たったひとりだけしかいない特殊な血液型なんです。それに、O型以外の他の種類の血液にも反応するようになってるんですよ」

「ああ、そうだったのか……」

ぼくはやっとわかった。自分が特別扱いされる本当の理由を。

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