第1293話 恋のなあんてな

かつて恋のアンテナが頭の上に立っていた僕は、またハンカチを拾った女の子に恋をしてしまった。

「今度お礼をさせてください。連絡先を教えてください」

そして女の子の連絡先を教えてもらった。数日後、女の子から連絡が来て、食事をご馳走する事になった。たかがハンカチを拾ったぐらいで食事なんてご馳走になる訳には……と断ったが、どうしてもと押し切られて、僕自体もまんざらでもない為、食事をする事になった。

女の子が連れて行ってくれた店は、お洒落な店だった。

「ここ美味しいんですよ。オススメです」

「良い店を教えてもらいました」

それから他愛もない話をした。彼女はとても良い子で、僕はやっぱり彼女の事がますます好きになっていった。ああ、恋のアンテナの通りじゃないか。

「みっちゃん。お待たせ」

「あ、遅いよ。紹介します。私の彼です。ねえ、この人がハンカチ拾ってくれたんだよ」

あー、そうですかー。恋なあんてな!!

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