第1214話 一輪車
どうしても乗れなかった。何度乗ってもうまくバランスが取れず、何度も何度も転んでしまい、怪我をする一方だった。どうすれば一輪車に乗る事ができるのだろう。一輪車の上手い友達のユウキ君に聞くと、やはり練習あるのみだという。一度、感覚さえ掴んでしまえば、もう後は簡単なのだという。私はその言葉を信じて何度も何度も練習した。しかし上手くなることはなかった。次第に一輪車が嫌になり、私は練習する事から逃げてしまった。亡くなったお爺ちゃんが最後に、私のおねだりで買ってくれた一輪車なのに……。
一輪車に乗らなくなり、気付けば大学生になっていた。私は大学のサークルでジャグリングのサークルに入っている。そして今度、一輪車に乗ってジャグリングをしないかという提案があり、私はもう一度挑戦する事にした。大丈夫。お爺ちゃんがついてる。そう思い、私は練習に明け暮れた。そして今、発表会本番だ。さあ練習の成果を見せよう。
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