第1213話 友達クーポン

友達がいないぼっちの私は、いつも一人で過ごしていた。ずっと読書したり絵を描いたりしていた。ああ、友達が欲しい。せめて一緒に本や絵について語り合えるような友達がいればいいのに。そんな時に出会ったのが、あの不思議なおばさんだった。

「みっちゃん。久しぶりだねえ。大きくなったねえ」

えっ?誰?どうして私の美香って名前を知ってて、みっちゃんなんて呼ぶの?

「えっ……あ、あのっ……」

「そうだ。みっちゃん。このクーポン良かったらあげる。おばさん、もうお友達は沢山いるからね。これ以上増えても人間関係が複雑になっても面倒なのよ。あははは」

そう言って、私の事を知っている不思議なおばさんは、私に数枚のクーポンを手渡してきた。

「これは……?」

「友達クーポン。お友達が増えるクーポンだよ」

私は友達クーポンを使い、友達を作った。こうして私には、沢山の友達ができた。あの不思議なおばさんは、一体何だったのか。

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