第970話 ええ子バッグ

近頃、コンビニなどのレジ袋が有料化になった。そのおかげでエコバッグを持って買い物する人達が増えてきた。

しかしここ、大阪。商売魂の土地で流行っているのは、エコバッグではなかった。


「お会計1320円です。有料のレジ袋はご利用ですか?」

「ええねん。ええ子バッグあるねん」

「ああ、ええ子バッグあるんですか。便利ですよね」

「そうやねん。ええ子バッグにしたら買い物が楽やねん」

「エコバッグよりええ子バッグですよね」


虎柄の服を着たおばちゃんは、買い物した商品を雑にええ子バッグに入れた。


「ほな頼むわ、ええ子バッグちゃん」


するとええ子バッグは、自分で入れた商品を整頓して勝手に歩き出した。

ええ子バッグとは、買い物を手伝ってくれる良い子バッグの事だ。買い物を快適に。買い物を手伝ってくれる良い子というコンセプトで発明された画期的な商品だ。

それが大阪で訛って、ええ子バッグとなったのだ。

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