第969話 スカイレター
大切な君へ――
伝えたい言葉は沢山あるけど、何から伝えればいいのか分からない。だから今、整理せずに思いついたままに素直な気持ちで書こうと思う。
君は覚えている?
公園でブランコに乗って泣いていた君を見て、僕はどうしたの?と声をかけたよね。そうすると君は、何でもないと言って涙を隠した。でも僕は気になって泣いているじゃないか。何もない事はないよねと言って、君の事情を聞いた。あの時が君との最初の出会いだったね。あの時、君はお母さんを亡くしたばかりで寂しくて泣いていた。そんな事情を聞いて僕も父親を亡くしたばかりだったから、泣いている君を放っておけなかった。それから色々あって君と恋人になった。そして僕も白血病でもうすぐ旅立つ。だから天国に行く前に手紙を書いている。
僕は今、とても幸せです。
出会えたこと、一緒に過ごした時間は胸に刻まれている。君の笑顔が大好きだ。
だから空を見上げて微笑んでみてくれ。
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