第968話 夢風船
私は生まれつき、歩くことができない。だから昔から自然と家で一人遊ぶことが多くて、絵を描く事にハマるのには、そんなに時間がかからなかった。私には夢がある。いつか自分の絵を多くの人達に見てもらう事だ。
ある日、インターネットでニュースサイトを見ていた。つまらないニュースが並ぶ中、ふと見つけた一つの記事。
<夢風船プロジェクト>
風船に夢を書いて下さい。審査員が選んだ夢風船に書かれたあなたの夢が叶います。
夢風船に「私の描いた絵を皆に見てもらいたい」と書いて、夢風船を飛ばした。スタッフから連絡が来た。私は夢風船に選ばれた。ギャラリーに私の絵が展示された。多くの人が見てくれていた。その様子を見るとポロリと涙が出た。夢が叶った瞬間というのは、こんなにも嬉しいものなのだと知った。
「夢は叶いましたか?次の夢、お待ちしてますね」
スタッフは笑顔で言った。その笑顔は、多くの夢を叶えた素敵な顔だった。
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