第966話 半分こ
吹奏楽部の練習中、顧問の先生がシュークリームの差し入れを持ってやってきた。
「皆集まって。ひとつずつ食べなさい」
「わー!!美味しそう」
「やったあ!!」
部員の皆がシュークリームを取っていった。全員にシュークリームが配られるとひとつだけ余った。
「じゃあジャンケンして勝った人のもの」
先生がそう言うのでジャンケンした。私はシュークリームが大好きなので気合を入れてじゃんけんをしたが、負けてしまった。シュークリームを手に入れたのは、打楽器担当の男の子だった。
いいなー。私は羨ましそうな目で見ていたら、彼が近づいてきて言った。
「お前さ」
「ん?」
「シュークリーム好きだったよな」
「うん」
「じゃあ半分こだ」
そう言って一つのシュークリームを半分こにして分けてくれた。
「えー!!ありがとう!!」
私の好み、覚えててくれたんだ。私はそんな彼の事が、最近気になって仕方がない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます