第955話 日避け作り

キラキラの夏が来た。僕達を照らす太陽は、容赦なく照り付ける。光る汗が流れていく。


こんな日はかき氷でも食べながら、風鈴の音を聞いて癒されたいものだ。

でもそんな事、君は許してくれない。


「夏だし遊ぼうよ」

「ええー、やだよ。暑いよ」

「せっかくの夏なんだよ。楽しまなくちゃ」


昔、一緒に作った秘密基地。そこに行こうと誘ってくる君の目は、この太陽に負けないくらいキラキラに輝いていた。


秘密基地には当然クーラーなんてない。電気も通っていないから扇風機もない。この暑い中、そんなところに行くのは地獄だ。


「じゃあさ、日避け作ろうよ。今日は秘密基地の日避け作り。ね?ね?いいでしょ?」


強引な君に誘われ、僕達は秘密基地の日避け作りをした。汗だくになりながら段ボールで屋根を作り、日よけを作った。


「完成」

「……あれ。思ったよりも涼しい」


予想外に快適だったから僕も思わずにやけてしまった。

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