第950話 夏休みの宿題

空は青く、君の横顔は日差しを受けて光り輝いている。


「暑いねえ。すっかり夏だね」


その可愛らしい声にドキッとしながら、僕は答える。


「今年の夏は何して遊ぼうか」

「海に行きたい。それからBBQ。あっ、山にも涼みに行きたいな。それからねー」


無邪気に明るく答える君の姿がとても愛おしい。


「でも宿題も多いから計画的にやらないと」

「えー、もう。そんな話しないでよ。私は最後に一気にやるよ」

「そう言って去年もギリギリになって僕に泣きついてきたじゃないか」

「だってーだってー、多すぎるんだもん」

「今年は助けないからね」

「ええー、頼りにしてるよ」


そう言って君に甘えた声を出されてお願いされると僕は弱い。


「全く……」


しかし今年の宿題は、厄介だ。読書感想文10万文字(本一冊分)自由研究4万文字(大学の卒論レベル)工作(匠に弟子入りする事)


「……今年は遊べないね」

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