第934話 心が軽くなる星
重力が6分の1になるんだって。
そんなところがあるなら行ってみたいね。だって重さが6分の1なら、心への負担も6分の1になるじゃないか。そんな事を言われて、予想外の答えに私は笑ってしまった。なるほど。月に行けば心も軽くなるか。確かにテンションが上がって軽くなるかもしれない。ところで君の心の重さは、一体何キロあるんだい?いつもお気楽そうな君に悩みなんてないんじゃないのか?
私がそう訊ねると、彼はこう答えた。
「6トン」
「そんなに悩みがあるの?」
「お前が鈍感すぎて全然気づいてくれないから、俺は心が重くなるんだ」
その言葉を聞き、私のせいなのかと思った。私、彼に何か悪い事をしてしまったのだろうか。うーん、分からないや。思い当たる事ないんだけどな。
「ああー、もう!!お前の事が……」
「ごめん。嫌われるような事しちゃったかな?」
「違うよ、好きなんだよ!!」
私の心は驚いて月へ行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます