第876話 頼らない

あなたには頼らない。私はそう決めた。いつまでもあなたを頼っていたら、私はきっとダメになってしまうから。だから一人旅に出た。自分一人で困難を解決していく事で、自分に自信がつくんじゃないかなって思った。でももうダメかもしれない。私はここで死ぬんだ。私は今、人生最大のピンチに陥っている。崖の上から今にも落ちそうだ。

「くっ……ああっ……誰か助け……」

最後の最後まで誰かに助けを求めてしまう。こんな自分が情けない。

「大丈夫か!?今助ける!!」

声が聞こえ、その声の主に私は見覚えがあった。忘れるはずがない。師匠だった。

「師匠!!」

「話は後だ。まずは引き上げるぞ」

私は命拾いした。また師匠に助けてもらった。

「探したぞ。こんなところで何してる」


私は訳を話した。


「ははっ。そんな小さい事気にしてたのか。いいか。人は一人で生きていけないんだ。俺にもお前が必要だ」


その言葉で私は涙が流れた。

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