第875話 効率野郎の恋愛法則
無駄は嫌いだ。何事も効率的にやらなければ人生の時間の無駄だろう。俺が最も嫌いなのは残業だ。非効率的だ。仕事も効率的にやれば残業しなくて済む。しかしどうしても俺には解せん事がある。それが彼女だ。職場の事務員であり、人の世話を焼きたがる。率先して残業もする。どうしてわざわざそんな非効率的な事をするのか。俺には理解できなかった。彼女は俺にも親切だった。いつしか俺は、そんな彼女の事が気になって仕方がなかった。恋愛マニュアルに関する本を読んだ。女の口説き方。デートの仕方。俺の知らない世界で勉強になった。そして俺は彼女を効率的にデートに誘った。彼女は誘いに喜んでくれた。そしてデートを重ね、俺は彼女と恋人になった。
「効率的に回ろう。時間が惜しい」
「何でも効率じゃないんだよ?無駄を楽しむのもデートなんだからね」
なるほど。恋愛に効率は通用しないらしい。俺は本を捨て、彼女と正面から向き合う事にした。
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