第845話 落人注意

友人とドライブをしていた時の事だ。山道を進んでいると見えてきたのは、落石注意の看板だった。

「なあ。知ってるか?落石注意の看板があるだろ?あれの本当の意味」

「あ?なんだよ、本当の意味って」

「落石注意ってのは、石が落ちてくるんじゃねえんだ。落ちている石に注意しろって看板なんだ」

「マジかよ。知らなかったぜ」

そして車で更に奥へと走っていると見えてきた看板は、落人注意の看板だった。

「なんだ?落人注意って」

「人が倒れてるんじゃね?」

「そんな馬鹿な」

その瞬間だった。

「うわああああああ」

目の前の道路が急に消えて、俺達は下に向かって真っ逆さまに落ちていった。

「どこまで落ちるんだ」

「これが落人注意か!!」

「そんな事言ってる場合か」

「誰か助けてー」

だが落ちた先は、なぜか山の出口で俺達は無傷で助かった。落人注意とは、一体何だったのか。結局分からないまま、俺達はドライブを続けた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る