第843話 拙者拙者詐欺

「申す申す。拙者じゃ拙者」

「えーと……どちら様だったかのお」

「何を言うか。お主の息子じゃ」

江戸時代、詐欺師がおった。それ息子の振りをして老人から金をまぎあげる詐欺師だ。

「実は殿様に無礼を働いてしまってな。そのせいで多額の金が必要になったのじゃ」

「なんと!!それは大変じゃ!!」

こうして男は老人から金を巻き上げた。男は騙し取った金を生活費に充てて生活していた。しかしそんな日も長くは続かなかった。

「実は殿様に――」

それを偶然見ていたのは、殿様に仕える者。

「これ。お主、殿様にどんな無礼を働いた?」

「お、お辞儀をしなかったのさ」

「よし、ならば来い」

男は城に連れていかれた。そして殿様に会い、ビビった男は正直に詐欺を白状した。

「お主、なかなか頭がキレて機転が利くようじゃな。よし、策謀に迎える」

男は策謀として迎えられ、殿様に仕えてまともな仕事をするようになった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る