第842話 三つ葉のクローバー
四葉のクローバーを君の為に探してみたけど、どこにもなくて見つからなかった。だから僕は仕方がなく、普通のクローバーを持って君に渡した。すると君は嬉しそうにクローバーを手に取り、本の栞にするねと言って、クローバーを大事そうに持って帰った。それが幼稚園の時の話だ。僕の初恋の君は、小学校に上がったら本ばかり読む大人しい女の子になった。いつも一人で本を読んでいるから友達がいなくて、僕はとても心配だった。だから僕は、君に話しかけた。幼稚園の時みたいに一緒にいようと思って。
ところが君は、以前よりも、よそよそしくなって、僕への態度も他人行儀。
「その栞、まだ持っていてくれたんだね」
「あっ……うん」
「今度、面白い本教えてよ。僕も読んでみたいな」
「うん……」
彼女と再び話すきっかけになったのは、あの三つ葉のクローバーの栞だった。それは、僕にとって幸運を呼ぶ三つ葉のクローバーだ。
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