第822話 自分探しタンブラー
私はお気に入りのタンブラーを持ち歩いている。丁度良い温度で持ち歩けるから重宝している。私が持っているタンブラーは普通のタンブラーではない。自分探しタンブラーだ。自分探しタンブラーは、実は中には何も入っていない。空なのだ。ではどう使うのかというと、人に質問をされた時に使うのだ。
質問されたら自分探しタンブラーにそっと手を当てる。すると温度が変わるのだ。「はい」なら熱く「いいえ」なら冷たくなる。その答えは、自分が望む答えなのだ。自分探しタンブラーの意思ではない。私の正直な気持ちを反映させてくれているのだ。自分の正直な気持ちに不安がある時、そっと自分探しタンブラーに触れてみるのだ。すると答えが出る。
「ひょっとして私って人の意見に流されやすい?」
自分に問う。そして自分探しタンブラーをそっと触る。
「熱っ!!火傷するかと思った」
どうやら私には、自分探しタンブラーが必須なようだ。
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