千鳥足で歩く。フラフラフラと。

それは不規則なパレードで、大人達の行列は繁華街を行く。

繁華街の鮮やかな照明がパレードを盛り上げている演出となり、大勢の行き交う人々はその異様な光景を立ち止まって見ている。

繁華街に現れたのは、大人数の酔っ払い達だ。皆、顔を真っ赤にしてベロベロに酔っ払い、歩く足がおぼつかない。

これは一体何なのか――。

どうしてこんなにも大人数の大人達がベロベロに酔っぱらっているのか。

答えは簡単だ。最近オープンした新しい居酒屋「千鳥足」のせいだ。

名の通り、千鳥足になるまで飲まされるのだという。酒には強いという自称酒豪の者達が、こぞって千鳥足に挑戦するが、ことごとく負けて帰ってくるのだ。この長い行列は、皆、千鳥足で飲まされた客達なのである。

千鳥足の店主の正体は、酒の神である大物主大神と少彦名神であった。

彼らに勝負を挑んだのが間違いである。

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