第810話 知らない親戚

家にいると家のチャイムが鳴った。母が玄関に行き、ドアを開けた。

「あら、いらっしゃい」

「入るぞー」

男はそう言って普通に家の中に入ってきた。母の知り合いだろうか?

俺と妹は、リビングで喧嘩していた。

「そのプリン、俺のだろ!!勝手に食べるなって言っただろ!!」

「知らないよ。だったら名前書いておけばいいじゃん!!」

妹に掴みかかっていると、男がリビングに入ってきた。

「おーおー、やってるなー。プリンくらいで怒るなよ、お兄ちゃんだろ」

……誰?何この人。

「理恵も勝手に食べて謝らなきゃダメだ」

……いや、だから誰よ。あんた。

「ごめんね。騒がしくて」

「いや、いいよ。いつもの事じゃないか」

いつもの事……?

こんなおじさん、うちに来た事なんて一度もないぞ。

「えっ……と」

「おい、叔父さんの顔を忘れたのか?」

話を聞くと母の弟らしい。いや、母は一人っ子だったはずだ。俺は混乱した。

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