第632話 毒入りバレンタインチョコ
犯人はこの中にいる。一体誰が彼に毒入りバレンタインチョコを食べさせたのか。容疑者は三人。彼の彼女。妹。母。
それぞれの言い分を聞こうか。
「私は彼と付き合って1年。彼、甘い物が好きなのか分からないから、あまり甘くないビターチョコをプレゼントしたんです」
「お兄?まあ毎年あげてるよ。余ったチョコの処理係みたいな?」
「バレンタインデーだし、おやつみたいな感じで毎年チョコレートをあげてますよ」
それが彼女達の話だった。
「ちょっと待ってください。あなたの話、少しおかしくないですか?」
私が目を付けたのは、彼女だった。
「彼と1年付き合っている。そうですね?」
「はい」
「1年も付き合ってて彼が甘い物好きかどうかも分からない。本当ですか?」
「そ、それは……」
「ビターチョコ。彼との思い出もすでに苦いものになってたんじゃないですか?」
「すみませんでした……」
こうして事件は解決した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます