第630話 妖艶な表紙の参考書

妖艶な女性が表紙になっている。本屋でそれを見て、俺は手を伸ばす事に抵抗を感じていた。


「いやー……凄い表紙だな……。思ってたのと違う……」


これを買えば表紙に釣られた奴だと店員に思われるかもしれない。だが俺は、この本の中身に純粋に興味があるのだ。この本は、ただの国家資格の参考書。決してやましい内容じゃないんだ。


しかし……

一体どうしてこんな妖艶な表紙なんだ!!


俺は迷った。他の参考書にするべきかどうか。しかしこの参考書、とても良いと評判の参考書なのだ。この参考書で勉強して国家資格に合格した人も多いと聞く。ならばやはりこれを買うしかないだろう。


俺は妖艶な表紙の参考書を購入した。

家に帰り、参考書を開いた。


「うお……こ、これは……大胆な……」


中を開くと、妖艶な女性の色々なポーズが載って説明文が書いてあった。


「こりゃ勉強も楽しいわな」


なるほど。合格率が高いわけだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る