第615話 パイセン

一人で居酒屋に飲みに来ていたら、高校時代のパイセンと街で偶然再会した。

「あれ?やっちゃんじゃない?」

「あ、パイセン。久しぶりっす」

「何?ちょっと痩せた?」

「痩せたっす」

「仕事?苦労してんだぁ。今何してんの?」

「営業マンっす」

「営業かあー。何?今から飲みに行くの?」

「そうっす」

「じゃあ行こうよ。おごるよ」

「あざっす。ご馳走になるっす」

俺はパイセンと飲みに行く事になった。居酒屋に入り、ビールとおつまみを注文する。

「どうよ?営業の仕事って給料いいの?」

「いや、全然っす」

「良い儲け話があるんだ」

「儲け話っすか」

「FXをAIに任せて自動でトレードしてくれるんだ。俺が作った」

「それいいっすね」


俺は適当に聞き流して解散した。そんな上手い話ある訳がない。しかし久々の再会で忘れていた。パイセンは、頭悪そうなのにIQ180の天才児だった事に。俺は慌ててパイセンを探した。

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