第595話 知らない人からのラブレター

ラブレターをもらって3日。

俺は返事をできないでいた。


この告白、受けるべきか。受けないべきか。俺は迷った。なぜならば……

今好きな人がいるわけでもない。誰とも付き合っていない。しかし、このラブレターの差出人を俺は知らないのである。


知らない人からのラブレター。唯一分かるのは、可愛らしい字を書く女の子だなということだけ。俺の判断要素は、文字だけなのだ。顔はおろか年齢も住んでいる場所も分からない。いや、そもそもなぜ俺に惚れたのか。理由は一目惚れだったそうだ。じゃあせめて顔写真の一枚くらい同封して欲しいものだ。


三日後、午後7時。駅前で待ってます。彼女は最後にこう書いていた。


俺は駅前に行った。

するとそこに待っていたのは、驚くほど美人な女の子だった。芸能人じゃないだろうか。こんな子が俺の事を!?俺は話しかけた。


「あのっ……手紙の……」

「すみません。どちら様?」


人違いだった。

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