第439話 白い夢

最近同じ夢ばかりを見る。しかもかなり不思議な夢だ。私は真っ白な空間に一人でいる。どこまで歩いても真っ白な空間で、誰にも会う事もない。だが不思議と恐怖や寂しいといった感情を感じることはない。むしろ心地良いとさえ感じるのだ。

私は眠りについた。今日も真っ白な空間の中にぽつんと一人いる夢を見た。さすがに何度もこの状況になると、また夢を見ているんだなと夢の中で気づく事ができるようになった。


「わぁあーー!!」


思いっきり叫んでみる。何もない。地面を触ってみた。特に普通の地面と変わらない。とにかく歩いてみることにした。歩いて歩いて歩き続けた。すると今日、初めて出口のような光が見えた。私は光に向かって走っていった。ついに光の先を抜けた。


そして私は目を覚ました。


「オギャー!オギャー!


私はこの世に生まれた。そしてやっと気づいた。あの白い空間は、私の母の母体だったのだ。

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