第437話 恋の予防接種

今年も予防接種の季節が近づいてきた。この時期は、とても忙しいんだ。病院の受付として働く私は、今日も忙しく仕事をしている。患者さんは沢山やってくる。


「今日はどうされましたか?」

「予防接種をお願いしたいんですが」

「インフルエンザですか?」

「いいえ。恋の予防接種を」

「恋ですね。分かりました。それじゃ体温計を渡しますので、体温測ってくださいね」


えっ?この時期の予防接種といえばインフルエンザじゃないのって?

まあそれも多いんですけどね。クリスマスまであと1カ月じゃないですか。

だからね。恋の予防接種をする人が増えているんです。”浮気”という厄介な病にかかってしまうと、せっかくのクリスマスを恋人と過ごせなくなってしまいますからね。恋の予防接種をされた患者さんは、皆すぐにスマホを取り出して付き合っている彼氏彼女に報告するんですよ。


「恋の予防接種受けたよ。安心してね」って。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る