第436話 贈り物はドライフラワーで

母の誕生日が近づいてきた。私は母に何が欲しいかを聞いた。


「うーん、綺麗なものがいいなぁ」


綺麗なものか……。

やっぱり花だろうか。


「他には?」

「壊れたりしないものがいいなぁ。そうしたら大切に取っておけるから」


花は綺麗だし良いと思う。

でも花は枯れちゃうし。


あっ、そうだ!!

ドライフラワーにすればいいんだ。そうすれば枯れないし、ずっと残しておける。


私はドライフラワーを買って母にプレゼントした。


「わぁ。綺麗!!ドライフラワーなのね。これなら枯れずにずっと部屋に飾れるわ」

「それだけじゃないのよ。なんとこの花は、光触媒で消臭、抗菌作用だってあるんだから」

「あら、嬉しい。早速飾らせてもらうわ。良い物をありがとうね」


……というのが去年の話だ。


「お母さん。今年のお母さんの誕生日プレゼントなんだけど」

「贈り物はドライフラワーで」


母は、即答するのだった。

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