第406話 米リンガル
彼は、お米の話す言葉が理解できるバイリンガルならぬマイリンガルだ。彼は、お米の生の声を聞き、農家の人に伝える事で最高品質の米を生産する。今日も彼は、お米の声を聞くのだった。
「発育はどう?順調?」
「ちょっとレディーに対して発育とか聞くの失礼よ。セクハラじゃない」
「すみません。そこをなんとか教えてもらえませんか?お米さんも消費者の方に美味しく食べてもらいたいと思いませんか?」
「……まあその点は同意するわ。でもね、ひとつだけ言っておくわ」
「……な、何でしょう?」
「私、そんな安い女じゃないの」
「え、ええ!!もう!!それはそれは!!大変存じ上げております。あなたは、あの有名な最高品種、大判姫ですからね」
「分かればいいのよ。あっ、そうそう。収穫の時は、イケメンにお願いしてね。そうじゃなきゃ、私、味変わるから」
「そ、そんな。勘弁してくださいよ……」
米リンガルは、苦労人だった。
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