第398話 普通
普通に生きるって何?
普通の人生とは、一体どういう事なのだろう。中学校を卒業して高校に行って、普通の大学に進学して、普通に会社員として就職する。それから結婚して子供を作って、一軒家を建てて定年まで働く。そして老後は、孫に囲まれながら暮らす。俺は、そんな普通ができなかった。大学を出て就職した職場をすぐにやめた。人間関係が悪かったからだ。それからは、フリーターとしてバイトをいくつか掛け持ちして、それなりに気楽で楽しい生活を送っていた。だが将来、ふとこのままでいいのかと不安になる。大学時代の友人達は、順調に”普通”のコースを歩んでいる。普通って何だろう……。そんな俺が出会ったのが、法事で説法を説いてくれたお坊さんの仏教の言葉だった。
「個々の命の形があり、それぞれの個性を持ち、制限と制約のハンディを背負いながらも精一杯生きている。その姿こそが美しいよ」
その言葉を聞き、救われ俺は涙を流した。
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