第395話 無関心な父と子

父と子は、朝食の席に着いた。


「昨日は試合だったんだろ?勝ったのか?」

「うん。勝った」

「そうか」

「うん」


父は新聞を見た。


「一面記事にお前の高校が載ってるな」

「うん」

「甲子園決勝でノーヒットノーラン達成で優勝だってな」

「うん」

「お前、ポジションはどこだ?」

「投手」

「ふーん。そうか」

「うん」

「このノーヒットノーラン達成したのは、お前なのか?」

「うん。俺」

「ふーん。そうか。一面記事に載ってるな。スーパーイケメンサウスポー球児だと」

「ふーん。別に興味ないや」

「そういえばお前、野球やってたな。すっかり忘れていた」

「うん」

「……腹減ったな。母さん、飯はまだか?」

「母さん、まだ?」


母は朝食を持ってきた。


「いただきます」

「いただきます」


父と子は、朝食を食べた。

この親子、本当に無関心な所がよく似た親子である。

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