第300話 お得中毒

私の体がお得を求めている。衣料品売り場に行った。3足よりどり500円の靴下とレジにて半額のサンダル。更に今日はポイントデー。ポイント10倍。これをお得と言わないでなんという。


嗚呼、体が火照る……。熱い……。

私の体がお得を求めている。食料品売り場に行った。アボガド詰め放題、見切り品のバナナは7割引き。更にクーポン券を使えば500円引き。


嗚呼、体が火照る……。胸がドキドキする。

私の体がお得を求めている。私はお得中毒になった。医者に行って診てもらった。医者の話では、お得状態になると脳が快感物質を出してしまい、一度覚えた快感に対して病みつきになってしまい、またお得を求めるのだという。これは一種の酒や煙草に似た症状なのではないだろうか。しかし買い物依存症とはまた違う。お得でなければ喜べないのだ。旦那に症状を説明した。


「別にいいじゃないか。要はただの節約思考だろ」と答えた。

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