第226話 珍食の詩織ちゃん

新入社員の事務員の女の子、可愛いな。俺は彼女とどうにか仲良くなって食事に誘おうと、必要以上に事務室に出入りするようになった。その甲斐あってついに詩織ちゃんと食事に行ける事になった。


「詩織ちゃん。好きな食べ物あるかい?」

「私、魚が好きなんです」

「魚かぁ。刺身?それとも煮つけ?」

「アマダイの鱗です」

「えっ……?」

「アマダイの鱗美味しいんですよ」

「そ、そう……。ちょっと良い店あるか調べてみるよ」


アマダイの鱗……。ネットを使って調べてみると、アマダイは鱗を食べる事ができるらしい。しかし、それをピンポイントで提供している店を見つける事はできなかった。


「詩織ちゃん。ごめん。アマダイの鱗の店見つからなかった。他に好きな食べ物ある?」

「子牛の睾丸が好きです」

「それもなかなか珍しいね」

「私、珍味を食べ歩くのが趣味なんです」


珍味か。彼女が好きな店を見つけるのは、難しそうだ。

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