第181話 大切なもの博物館

株取引で成功し、資産が2億円になった私は、お金はあるけど心が満たされない毎日を送っていた。お金の使い道も分からず、どうしようか考えていた。そんな時、クラウドファンディングの存在を知った。


まちづくり。過疎地域活性化プロジェクト。空き家を大切なもの博物館にリフォームしたい。大切なもの博物館は、誰かの大切なものをお預かりしてその大切なエピソードと共に展示させて頂く人の想いを展示する博物館です。


「へえ。面白いプロジェクトじゃん。過疎地域の活性化にもなるし、人の想いを展示する博物館か。私も行ってみたい」


私は1000万円出資した。大切なもの博物館は、無事に目標金額を集める事ができた。クラウドファンディングの返礼品として送られてきたのが、過疎地域で育てられた夏野菜だった。

「美味しそうに食べてくれるのを想像しながら一生懸命育てました」と手書きの手紙が添えてあった。世の中、お金じゃないな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る