第180話 振り返る
そうだ、怖い話を書こう。小説を書くのが趣味の私は、ホラー作品を書きたくなった。ホラー作品を書くコツは、短くシンプルにまとめあげることだ。読者に読んだ後、想像させるのが狙いだ。早速私は小説を書いた。
誰かにつけられていると思った。暗い夜道、私以外の足音がずっとついてくる。私が歩く速度を上げるとその足音も速くなる。急いで自宅マンションに帰った。部屋の鍵を開け、振り返った。そこには――
「うーん、そこには何がいた事にしようかな。ふぅ、ダメだ。思いつかないや。ちょっと飲み物でも取ってくるか」
パソコンの画面をそのままにして、キャスター付きの椅子を反転させて振り返った。
そこには、血まみれの男が立っていた。
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