第157話 ツチノコ

テレビのニュースでやっていたのは、あの幻の蛇ツチノコが発見されたという話題だった。しかしそこに映っていた映像を見て俺は叫んだ。


「違うだろ!!それはオオアオジタトカゲだろ!!素人め!!よく見ろ!!足生えてるじぇねぇか!!」


オオアオジタトカゲは、ツチノコの特徴と同じく、胴の膨らみがあるトカゲである。


「いいか。ツチノコは未確認生物であり、野の神なんだよ。険しい山道を必死に探しまくっても見つからない幻の蛇だ。無駄だと分かりつつも、だがなぜか探したくなる魅力がある。それは男のロマンなんだよ。夢なんだよ。そんな簡単にテレビの映像に映るような生物じゃないんだ!」


俺は鼻息荒く、テレビに向かって独り言を呟いた。

ピンポーンッ!!

家のチャイムが鳴った。


「お届け物でーす。ご注文のツチノコチョコレートです」


俺はツチノコを探すのを諦めて幻のスイーツ、ツチノコチョコレートで我慢する事にした。

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