第102話 呪いのスピーカー

リサイクルショップにクリアしたゲームを売りに行った僕は、査定待ちの時間を潰す為、店内をぶらついていた。

ゲームに玩具、家電製品にキッチン用品と様々な物が置いてあり、それらを見ていた。そしてその中で異彩を放っている物を見つけた。


「呪いのスピーカー、150円?……なにこれ」


それは、黒くて大きな古そうなスピーカーだった。この大きさのスピーカーなら新品なら数万円しそうだ。いくら中古のスピーカーとはいえ、150円は安い。安すぎる。


…でも呪いって何だろう。気になった僕は、この呪いのスピーカーを購入した。家に帰り、呪いのスピーカーをパソコンに繋げて、早速お気に入りの曲をかけてみた。


流れてくるはずのノリの良いアップテンポの曲は、スロー再生をした時と同じようなゆっくりな曲になった。

そう。呪いのスピーカーとは、何を再生しても再生速度が鈍くなる呪いがかかった鈍い呪いのスピーカーだったのだ。

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