第101話 七色珊瑚

綺麗な海が自慢の地元で、海を埋め立てて工業団地にしようという計画があった。せっかく綺麗なこの海を埋め立てるだなんて、そんな事あり得ない。

もちろん僕達地元住人は、大反対して署名活動をして抵抗した。しかし僕達の抵抗も虚しく、埋め立て計画は進んでいった。

ついに明日から埋め立て開始か……。

僕は、最後の海の中の景色を見る為に潜るつもりで海に来た。するとお爺さんが海を眺めていた。僕は、お爺さんに話しかけた。

「今日で最後ですね。必死に反対運動に参加したんですけどね…。寂しくなります」

「なぁ、お兄ちゃん。この海には、伝説の七色珊瑚がある事を知っておるか?」

「七色珊瑚ですか?いえ、聞いた事ないです」

「七色珊瑚を見る事が出来れば願い事が叶うと言われている」


僕は海に潜った。そして七色に輝く珊瑚を見つけた。

どうか埋め立てが中止になりますようにと願った。


その願いは叶い、今も海は守られている。

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