第87話 酔う卵

今日は花金だ。飲み屋に行って酒を飲むのもいいが、残念ながら金が心持たない。

「仕方ねぇ。宅飲みにするか……」

俺は仕事帰り、コンビニに寄ってビールと焼酎、日本酒を手に持った。

「後は、つまみも必要だな。柿ピーと焼き魚。後は、燻製のうずらの卵。えーと、卵っと…‥。ん?なんだ、こりゃ?」

俺の目に映ったのは、話題の新製品!!酔う卵緊急入荷!!と書かれたデカいPOPだった。思わず手に取ってパッケージの後ろを見た。ニ十歳未満の方のご飲食はおやめ下さい。

「なんだ?酒に漬けてある卵か?」

物珍しさもあり、俺は酔う卵を購入してみる事にした。そして家に帰ってビールの缶を開け、一口飲む。


「くー!!美味い!!…さてと、この酔う卵ってやつを食ってみるか」


酔う卵を口の中に入れた。味は普通のゆで卵と変わらない。


「なんだ?だだのゆで卵じゃねぇか……。あれ…なんだ…?」


俺は卵一つで酔っぱらった。

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