第81話 スペシャルデザート

十二時だ。飯の時間だ。営業マンの俺の仕事中の楽しみは、美味い飯屋を探す事だ。この日、取引先企業での午前中の仕事を終え、街中を散策する。普段は行かない細い路地を進んだ先に、それはあった。

「日ノ丸食堂か。へぇ、こんなところに店あったんだ」

俺は店内に入った。

「いらっしゃい。お好きな席にどうぞ」


店主の声が聞こえ、適当に空いている席に座る。飯時の時間帯のはずなのに客は俺以外、誰もいなかった。おいおい、まさかハズレの店か?やっちまったか?

メニューを見る。日替わり定食、焼き魚定食、野菜定食。日ノ丸定食スペシャルデザート付きと書いてあった。スペシャルデザートという文字に惹かれ、俺は日ノ丸定食を頼んだ。しばらく待っていると料理が運ばれてきた。生姜焼きに味噌汁、サラダが付いた普通の定食だった。そしてスペシャルデザートは、超巨大なパフェだった。


昼間からこれは重い。そうか、それで客がいないのか。

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