第18話
「それじゃあ、
「はい」
オレの取り調べを担当した警察官は
「でも、佐々木くんはキミに殴られたって言ってるよ。先に手を出したのは自分だってことも話してくれたけど」
「先にオレの頭を何か固い物で殴ったのはあいつです。それでオレは気を失って、目が覚めたら
「で、キミはその罪をなすりつけられたと」
「はい」
果たして警察はどこまでオレの話を信じてくれるのだろうか。何も悪いことはしていないのに、取調室の雰囲気がそうさせるのか異様なまでの緊張に襲われていた。
「
「え?」
「だって、キミの話にはどこもおかしいところがないじゃない。だから一旦は信じる。でも、他に証拠が出たら信じない。ちゃんと償ってもらう」
「本当に信じてくれるんですか?」
「警察官が嘘をついたらおしまいだよ。それに、
「事情?」
「妹さんを亡くしたのは辛いかもしれないけど、暴走族なんて入ったら同じような事故を起こすかもしれないんだよ?」
「……」
「ああ、ごめんね。妹さんの話題を出すのはなんか違うよね」
「気にしないでください。こんなことになったのは全部オレのせいですから」
居眠り運転をなくすために大音量を鳴らしながらバイクを走らせる。これだって十分な迷惑行為だ。
今回はたまたま先にタチの悪い暴走族に絡まれただけで、いつか同じように警察の世話になっただろう。
「同じような居眠り運転の事故をなくしたい気持ちはわかるけど、その手段が暴走族なら別の事故が起きちゃうよ? その心は大切にして欲しいけど、別の方法を探してみて」
「ここを出た後もしばらくは大変だと思うけど、困ったことがあったら頼ってくれていいからね」
「……ありがとうございます」
警察官として働いているんだから当然自分より年上だとわかっているのに、なぜか妹の
この時はまだ、
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