第3話 出会い

青空。

俺は放心状態で空を仰向けで見ていた。


(これからどうするか…)

とりあえず、俺は町に行くことにした。

早くしないと森で野宿になるから、なんとか町を見つけるために、森を突っ切ることにした。

起き上がって適当に方角を決める。

なるべく明るいところを通ることにした。

しばらく歩いていると、モンスターと出会ってしまった。


(なんでだよ…ッ!)

俺は剣を取り出す。


相手は骨。

スケルトンだ。

盾と剣を持っていて、バクテリアより攻撃力が高そうだ。


(あれ本物だよな…!?)

当たれば死ぬ。

そう理解できてしまう頭を憎み、俺は剣を握りしめた。


「ケタケタケタ」

スケルトンは不気味に歯を鳴らしていた。


「うぉりゃぁぁ!」

勢いよく斬りにかかるが、盾で防がれる。


「いっっ」

振動が手に伝わる。

剣を手放しそうになったが、強く握る。

次の瞬間、俺は胸を斬られた。


「は…?」

俺は胸を押さえて膝から崩れ落ちた。

(うそ…だろ?死ぬのか?)

と、思っていたが、なぜかいつまで経っても痛みはこない。


「…あれ?生き…てる?」

なんと、俺は見かけ騙しのダイナマイトのおかげで怪我を負わずにすんだのだ。

まるで漫画みたいな展開だが、スケルトンに隙が生じた。

この好機を逃すわけにはいかない。


(今だっ!)

俺はスケルトンに下から斬りかかった。

見事攻撃は命中。

スケルトンはバラバラになった。

「た、倒した…!」

また勝った。

俺は喜びに溢れた。

そんな俺の前に、宝箱が出てくる。


(おっ!定番の宝箱!)

俺は好奇心に満ち溢れながら、宝箱を開けた。

「…?卵?」

一つ卵がぽつり。

俺は卵を優しく持ち、町があると思う方向へ向かった。

少しすると、町の入口がみえた。

「おお…!これで野宿しなくてすむ…!」


俺は安堵で、気が緩んだ。

卵を落としそうになり、ちゃんと抱える。

パキ、と音がして、俺は割ってしまったのかと思って卵を観察した。


ヒビが入ってる。

しまった。

おそらく、さっきので割れたのだ。

俺は罪悪感に苛まれながら、卵を地面に優しく置いた。


「ん…?なんかヒビが増えていって…?」

パキ、パキパキと殻が割れる。

「ピィピィピィ!」

出てきたのは日本にはいない、謎の生物だった。

(なんか生まれた!?)

俺はこいつに名前をつけることにした。


「パ、パパ」

「俺がパパかー」


刷り込み、だろう。

ママと言われなくて良かったと思いつつも、俺はよく名前を考えた。


「よし!お前はきょうちゃんだ!!」

「やっあー!」


転生して初めての仲間。

きょうちゃん。

少し、この転生生活に希望が見えた気がする。

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星流の流れ もちは飛ぶ @nattsu5

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