第2話 1年A組(上)
俺はおそらく担任だろう白衣を着た男の先生の指示に従い1年A組のクラスの廊下まで来ていた。
左隣には加恋もいる。結局写真撮影の流れで話しながら一緒にここまで来た。
「席順どうなんのかなー」
「翼の後ろがいい」
「何で?」
「寝れる」
「おい!」
即答かよっとツッコミながら俺たちは先生の指示を待つ。
「おーっす」「いたいた」「やっほー翼君」
声がかけられ振り返ると正輝、優衣、そして美咲がいた。
「おーひょっとして同じクラス?」
「そうみたい、ところで翼君の後ろの子は知り合い?」
不思議そうに美咲が加恋を指して問いかけてきた。
「さっき初めて会ったんだ。」
「榊原加恋っていう。よろしく」
俺の肩に寄りかかりながらボソっと話す。
(こいつまた眠いんか。てか距離近すぎだろ…)
顔が赤くなりそうになりながら美咲を見ると「ふーん」と言ってジト目を向けてくる。俺は少し慌てて「なんか眠いらしいから肩貸してる」と言ってなんとか変なことも何も考えてない、していないアピールをしまくった。
加恋も「そーう」とのんびり言ったので美咲もわかったみたいで「そ、そうなんだ」と苦笑していた。
廊下で待っていると教室がガラッと内側から開かれ一人の美しい女性が出てくる。赤い瞳をしたその女性は外から指す日の光に照らされ、金色に輝く長い髪に天使の輪が浮いていて神秘的に見えた。
「1年A組の諸君。私がこのクラスの担任である
その口から紡がれる言葉を聞くと騒がしかった声が一斉に静まった。隣のクラスも、さらにその先も………………静寂が訪れた。時が凍ったみたいだった。
「んんっ、暁先生」
「ん?ああ…すまない。これでいいか。では一番から呼んでいくぞ。」
俺たちを連れてきた先生に言われ、次に暁先生が言葉を紡いだ時には騒がしさが戻っている。
(なんだ………………いまの?………………)
俺は周りを見渡す。俺と同じようにビックリしたような顔をしているのは数人で他は何もなかったかのように話している。
「皆、今の何だった?」
俺は4人に小声で問いかける。
美咲と加恋が「なんか急に静かになったよね」「うん」と言う一方で正輝と優衣は「なんかあったか?」「どうしたの?」と不思議そうな顔で問いかけてくる。
俺は美咲と加恋に目配せし、「なんでもない」と言って暁先生に目を向けるのだった。
そんな彼女の瞳が茶色いことに違和感を感じた人は翼を含めて誰もいなかった………
****
皆の注目が集まり、暁輝夜は手に名簿を持ち言葉を紡ぎ始める。
「1番
女の子みたいに長い後ろ髪を肩辺りで結び、前髪を白い人型の髪留めで押さえた中性的な顔の少年は呼ばれる。
「2番
足までかかる長い後ろ髪を流し、前髪に白い人型の髪留めで押さえた幼顔な少女が呼ばれる。
「3番
ショートカットの愛らしい少女が呼ばれる。
「4番
ポニーテールの目元がきりっとした少女が呼ばれる。
「5番
短めの髪を逆立て、どっしりとした大きな体格を持つ少年が呼ばれる。
「6番
薄っすらと青い髪で、どこか儚げな印象を持つ美少年は呼ばれる。
「以上、6人が窓側の一列に座れ。」
6人が教室に入り、彼女から言葉が紡がれる。
「7番如月翼」
顔立ちの整った少年は呼ばれる。
「8番榊原加恋」
眠たげな黒髪の少女は呼ばれる。
「9番佐倉紫音」
総代の利発な少女は呼ばれる。
「10番
パーマのかかった明るい髪の少女が呼ばれる。
「11番
目元が髪で隠れた暗めの眼鏡少女が呼ばれる。
「12番
ストレートに伸びた髪を持つ美少女が呼ばれる。
「君たちは2列目だ。」
彼女の口から紡がれる。
「13番
怪しく嗤う美少女は呼ばれる。
「14番鈴原美咲」
ショートボブの可愛らしい少女は呼ばれる
「15番墨田学」
眼鏡をかけた影の薄い少年が呼ばれる。
「16番
優しげな眼で穏やかな顔をした美少年が呼ばれる。
「17番
ぼさぼさの髪の毛をした表情の見えない少女が呼ばれる。
「18番
眼鏡をかけた真面目そうな少女が呼ばれる。
「真ん中の列だな。次は4列目だ。」
言の葉は紡がれる。
「19番
茶色い髪の色白の綺麗な少女は呼ばれる。
「20番
ピンク色をした髪で、制服を着崩す褐色の少女が呼ばれる。
「21番
腕まくりをした活発そうなそばかす少女が呼ばれる。
「22番
赤色のミサンガを右手に着けた可愛い少女が呼ばれる。
「23番
青色のミサンガを左手に着けた目元が髪で隠れ、怪しい笑みをこぼす少年は呼ばれる。
「24番
蝶の髪飾りを付けた少女が呼ばれる。
「最後の窓側の列だ」
彼女は**名前**を紡ぐ。
「25番
もじもじとした背の高い少女が呼ばれる。
「26番三波優衣」
長めの髪を後ろで結んだポニーテールの美人な少女が呼ばれる。
「27番
腰まで伸びる長い髪を持つ背の低い少女が呼ばれる。
「28番柳田正輝」
笑顔を浮かべる明るい少年が呼ばれる。
「29番
古びたお守りを鞄に着けた釣り目の美少女が呼ばれる。
「30番
周りを見て少し顔がこわばった少年が呼ばれる。
「以上30名。これから6年間よろしく頼むよ。」
彼女は美しい微笑を浮かべて席に着いた俺たちに声をかけるのだった。
****
「あ、そうそう彼は副担任の
最後に教室に入ってきた軽く手を振る白衣を着た男の先生を指して言う。
続けて彼女は再び生徒を見回して告げる。
「では、最初のホームルームを始めようか」
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