お土産
キプロスの夏目さんとスカイプで喋った時は、変わらず綺麗で元気そうだった。「今度お土産送るね」と言っていたのに届かず、音信不通になった一月後の深夜にいきなり国際電話がかかってきて、激しいノイズの中、お土産を送ったと言う夏目さんの声が切れ切れに聴こえて通話が切れた。三ヶ月後に繋がったスカイプの映像はほぼ真っ暗で、一瞬白い拘束衣らしきものを着た女性が映り、お土産を確認してと言っているこの女性は夏目さんかと驚愕しているうちに、残像のように接続が切れた。その後もお土産の確認を促す国際電話が時折かかってくるが、僕は夏目さんが実は生きていない気がしているし、今ではそのお土産が届かないで欲しいと思っている。
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第七十五回お題「届く」
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