路地裏ロジック
知人女性の中でも特に一言多い夏目さんと何となく流れで、観念的なデンマーク映画を観に行ってしまい、案の定夏目さんが
「貧困とかマイナス面ばっか仰々しく扱って、自分は人生の辛さ知ってますからってスタンスが、既に典型的な路地裏ロジックじゃない? そんなの結局、自分は人生の表通り歩んでるって余裕の裏返しに過ぎないし、幼稚なスノビズムの表れでしょ」
僕の印象では、中流家庭の家族愛を扱ったその映画の何処にも貧困や暗さは感じられなかった。この人は一体何を見ているんだと思う一方、おかしいのは僕かと不安になる。このように僕は夏目さんと喋る度に、何というか路地裏に迷い込んだような気分にさせられる。
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第七十四回お題「道/路」
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