かくれんぼ
窓から夕焼け空が見える二人きりの教室で僕の気も知らずに、夏目さんは高二にもなってまだ、「わたし、かくれんぼ超絶得意だから」とか言っている。教室の中だけでかくれんぼをしても絶対見付からないと夏目さんが言い張るので、鬼になった僕が黒板に顔を伏せて三十数えてから振り返ると、本当に夏目さんがいない。僕は迷わず片隅のロッカーを開けるがホウキが立てかけてあるだけで、僕は「マジ?」と言う。近くの席に座って机が並ぶ教室を呆然と眺めていると、下から「重いよ」と声がして、卓上かと思って両手を乗せていたのが、実は四つん這いになった夏目さんの背中だと気付いた僕は、「うそー!」と叫びながら弾かれたように飛び退る。
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第七十三回お題「隠す」
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