ぼくの話⑰
長年、自分が抱え込み誰にも話すことの出来なかった悩みを昨日初めて話した。
他の人に自分の胸の内を話したことのないぼくは、どんな反応が返ってくるのかとドキドキしたけれど、上田先生は理解を示してくれた。悩みを共有する人がいることで気分はスッキリとし、また自分が生まれ変わったような気がした。
…心機一転はしたけれど、ぼくにはまだまだ課題が山積みである。
まず1つ目は外に出ること。オープンスクールだけでなく、学校に通うにあたってもこれは大事な事だ。出れなければ通えないし、通えなければ卒業もできない(らしい)。
2つ目は勉強を終わらせること。最初は1日12ページなんて余裕余裕!と思っていたが、中2の内容に入ってからそうもいかなくなった。覚える公式や単語がありすぎて脳内がパンクしそうだ。
3つ目は、両親から定時制に通うのを認めてもらうこと。そのままを話せば必ず納得してくれるとは言われたが、決心がつかないので徐々にしていこうと思う。
そして最後、これが1番大切だ。
4つ目は、受験のために必要な書類を集めること。高校を受けるための願書を貰った際に、中学校側に書いてもらわなければならない欄があるらしい。これがなければ受ける事ができないので、ぼくは1度も通っていない中学校に初めて行くのだ。最初で最後の中学校である。受験は冬なのでまだまだ先のことではあるが、知っておいて欲しいということで話された。
これからのことを聞き、大変さに少し怖気付きそうになった。でも、自分でもできる、それを証明したい。あの時感じたその思いは本当だから、こんな自分を変えたいと考えたのも本気だから。
緊張で乾いた唇をひと舐めし、上田先生にも分かるように大きく頷いた。
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