ぼくの話⑧
いきなり突きつけられた第三の選択肢は僕の頭の中を支配していた。
通わずこのまま働くのか、定時制に通うのか、通信制で高卒を取るのか…。
分からない。
分からない。
正直、『 高卒が欲しい』という理由で了承してもらえると思ってたし、高卒と中卒では仕事内容がどのように変わるのかも分からなかった。テレビの中の知識を掻い摘んで言っていただけなのだ。
部屋を出る前には眩しく輝いていた朝日ももう落ち着いた色になり、柔らかく光を届けてくる。
もう、諦めてしまおうか。そんな気持ちがまた膨らんできた。
諦めたくない気持ちもあるが、2人を説得するだけのものが今の僕には見つからない。通信制で高卒を取ってもいいかも知れない…外に出なくても良いし、ちゃんと高卒の資格はくれるんだし、わざわざ出なくったって、通わなくなって良いのかもしれない。
そう思い始めると止まらなくなった。あの時、なぜあそこまで怒ったのか通うことに執着していたのかが思い出せなくなってきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます