ぼくの話⑧

いきなり突きつけられた第三の選択肢は僕の頭の中を支配していた。


通わずこのまま働くのか、定時制に通うのか、通信制で高卒を取るのか…。

分からない。

分からない。


正直、『 高卒が欲しい』という理由で了承してもらえると思ってたし、高卒と中卒では仕事内容がどのように変わるのかも分からなかった。テレビの中の知識を掻い摘んで言っていただけなのだ。

部屋を出る前には眩しく輝いていた朝日ももう落ち着いた色になり、柔らかく光を届けてくる。


もう、諦めてしまおうか。そんな気持ちがまた膨らんできた。


諦めたくない気持ちもあるが、2人を説得するだけのものが今の僕には見つからない。通信制で高卒を取ってもいいかも知れない…外に出なくても良いし、ちゃんと高卒の資格はくれるんだし、わざわざ出なくったって、通わなくなって良いのかもしれない。


そう思い始めると止まらなくなった。あの時、なぜあそこまで怒ったのか通うことに執着していたのかが思い出せなくなってきた。

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