個人的に、サイバーパンクといえば、夜の闇とクロームの銀色というイメージがあります。明るく楽しい、という感じはあまりない。ユーモアがあるにせよ、それはひねくれていて、苦味と痛みを伴うのが常です。少なくとも、ウィリアム・ギブスン作品はそうでした。
しかし、この作品は、そういうサイバーパンクのイメージを軽やかに超越していて、そこが楽しい。サイバーパンクならではの猥雑さはそのままに、明朗で快活な雰囲気が満ちている。女の子たちのかけあいの楽しさ、からりとして嫌味のないユーモアもよい感じです。サイバーパンクの浸透と拡散、それに伴うイメージの変化を感じさせて、サイバーパンク好きのわたしとしては、しみじみと感慨を覚えるところがありました。
とにかく、続きが楽しみです。この物語のハイウェイは、どこにわたしを連れていってくれるでしょうか。