第451話 275列車

ダンボール箱を下ろして。

アタマに被ってたのも(^^)


んで、友里恵は、大きな鉄の扉を開けて。



がちゃり。



ぎーぃ・・・・・。なんて言わないけど。



由香が、段ボールを抱えて通る。



友里恵も、ダンボールを抱えて通ろうとすると・・・

ドアが閉じる。



「れ?」



どーん。


大きな音が響いて、1階のパーキングに友里恵は取り残されて。



由香が、中からドア開けて「なにやってんの?」



友里恵は「ハイハイ」



ダンボールを抱えると、オートクローザーのドアが閉じる(笑)。



由香は「先にダンボールだけ入れとけば」



友里恵「ああ、そっか。カラだもんね」



由香は「えっへん」



友里恵「威張るほどのことかい」



由香「ハハハ」



ちょっと暗い、フェルト敷きの裏口からダンボールを抱えて。


そうすると、温泉大浴場の前から

エレベータに直ぐ乗れる。



由香「でもさ、この作りだと・・・温泉にタダで入れそう」


友里恵「あー、ありそうね。この辺りってみんな、タダで入れそうだね。

あちこちにあるけど。温泉。誰も見てないじゃん」




由香「自然に沸いてるのはね。金鱗湖とか」



ダンボールを抱えて、エレベータの△ボタンを押して4階へ。



エレベータが4階に着く。



ダンボール抱えて、回廊を歩くふたり。


407号室の前に。



由香「カギは?」



友里恵「フロント」


由香「先に言え」


友里恵「見てたじゃん」



由香「まったくも(^^)。



友里恵「笑っていいとも!」



由香「いいかよ(^^)」



由香は、回廊を歩いて行った。










機関士・理沙は・・・・



「停止位置、よし!」



275列車、機関車DE10 1205の機関車単弁、編成制動弁を非常位置へ。

転動防止である。



エンジンは掛けたまま。

入れ替え機関士が、ホームにやってくる。



理沙は、機関室から挙手敬礼。「ごくろうさまです」と、にっこり。



携行品を持って、機関室からランボードに。

梯子を降りて、ホーム。


理沙と同じ服を着た、入れ替え機関士は、日焼けの顔でにっこり「やあ」



理沙も「おつかれさまです」



車掌・洋子と、車掌補・文子も機関車のところに来て「おつかれさまです」



理沙は「あ、おつかれさまですー」と、にこにこ。



やっと終わった。と言う・・・正直な気持。

本来の仕業だったら、博多行きの特急「ゆふいんの森」を久留米まで乗って

帰りを、豊後森まで。

そこで休憩、そこからは同じ275列車乗務。


だったのだけど、勤務変更で9001列車「味覚トロッコ」牽引、

日田から帰りは回9002。


けっこう、忙しい乗務だった。



乗務時間はたぶん、増えているから・・・「超過かな」なんて、ちょっと思った。


長い一日だった。



さっきまで、故障列車の救援、なんて仕事になるかも、だったから「ハードだなぁ」



そう、思っているうちにも機関車は、乗降を終えた275列車の扉が閉じたら

「タウン・シャトル」編成を、今度は豊後森まで帰りの仕事。


それで、機関車はきょうの仕事、終わり。


8時半くらいになるだろうか。



とはいえ、乗務員の仕事でよる8時半は早い方である。

理沙は女子だから、10時まで・・・なので

せいぜい9時くらいまで、である。





文子たちは、大分駅にある車掌区で点呼、勤務解放なので


挨拶をしながら、乗客と一緒に階段に消えた。


車掌のスーツは、後姿もけっこう、凛々しいなぁと理沙は思う。



「さて、行くか」と、理沙はホームの端まで歩いて

6番線ホームの東側にある、スレート車庫、その向こうにある

機関区で点呼。勤務解放だ。



「疲れたなー。なんとなく」と、歩きながら・・・ふと、4号車に乗り込んでいる

黄色いヘルメットの庫内手の姿を見て、愛紗のことを連想する。



「愛紗ちゃん、大丈夫かな」ふと、思ったり(^^)。

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